二人の友(ドゥザミDeux amis)はフランスの作家、ギ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant 1850〜1893)の短編小説の題名です。私はこの小説を大学のフランス語の授業で学びました。残念ながらこの頃、授業にあまり関心がなく、出席もろくにしなかったため、授業もテキストの内容もほとんど記憶がなかったのですが、なぜかこの小説のある一節だけは、後々まで強く印象に残っていました。今、再び読み返し、この一節もさることながら、この小説に込められたメッセージの大きさを改めて感じます。

12ページの短い小説なので、原文を引用しながら内容を紹介します。

パリは包囲され、飢餓<きが>に瀕<ひん>してあえいでいた。屋根の雀<すずめ>もめっきり減り、下水の鼠<ねずみ>もいなくなった。人々は食べられるものならなんでも食べた。
という書き出しで始まるこの小説は、仲の良い二人の釣り友達、時計屋のモリソーさんと、小間物屋のソヴァージュさんの物語です。
戦争前には、二人は日曜日になると、忘れえぬ地「マラント島』で、美しい自然のふところに抱<いだ>かれ、平和で楽しい釣りの日々を過ごしていましたが、フランスとドイツの間に戦争が始まると、職を奪われ、釣りもできず、閑人<ひまじん>となってしまいます。久しぶりに出会った二人が、戦時下というのに、ふとした思いつきを実行したため、たいへんな結末をむかえてしまうことになるのですが、この結末は後の話として、楽しかった「マラント島」での釣りの話から始めましょう。

そうです、戦争前には日曜日になると、もう、明け方から出かけ、夜になるまで釣りをしていたモリソーさん。そんなモリソーさんが愛した大好きな釣り場が、コロンブまで汽車で行き、そこから歩いて通った「マラント島」でした。
モリソーさんがここに来ると、きまって、でっぷりとふとった、気さくな小男に出会ったのですが、これが大の釣り好きのソヴァージュさんでした。
二人にとって「マラント島」は、寝てもさめても心をとりこにするすてきなところでした。

小説はこの「マラント島」での釣りの情景描写の場面となります。

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