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タイムカプセルKYOTO
彩の歳時記 -彩の原風景-

日本の色
色のサンプルは、ご覧になるモニターなどの環境によって、多少色合いが異なります。色をイメージする際の参考にしてください。


紅色
(くれないいろ)

紅花を原料とする染め色の赤が紅。紅花の原産地はエジプトやメソポタミア地方だったといわれていますが、日本では古く呉藍(くれない)、つまり呉の藍とも記されたので、この染め色が呉国との通行によって伝えられたものと考えられます。

十世紀頃紅花は同じ目方の金に匹敵するほど高価なものとされていました。濃く深く染められた韓紅花(からくれない)は奢侈(しゃし)と特権の象徴でしたが、江戸時代には、出羽の国(山形県)の紅花が、庶文化の花形、浮世絵の紅刷りに使われるほど普及するようになりました。

中国語では赤の感覚を代表する言葉が紅ですが、日本ではなぜかそれを赤と記すことになりました。

洋名 チェリーレッド


紅梅色
(こうばいいろ)

紅梅色は紅(くれない)より薄く、退紅(あらぞめ)よりは赤く、襲(かさね)の色ではやや紫みを帯びたピンクになるようです。もちろん紅梅の花の色に由来します。この色も男女共用であったといわれるので、昔は色に階級差別はあったにしても、男女の差別はなかったものと思われます。
尾形光琳の「紅梅白梅図」に限らず、紅梅と白梅の取り合わせは、日本の美術・工芸・染色のなかで、しばしば賀意を表す主題となります。
食紅で染められた祝儀用の餅や菓子の紅白が、紅梅・白梅の取り合わせに近い。真っ赤と白のコントラストによる紅白は、源平合戦に由来する対抗勝負のことをいう場合が多く、紅梅色と白の取り合わせほど、のどかさはありません。
ただ、王朝時代の紅梅色は見飽きのする色だとされていたようで、当時の感覚ではいささかくどいと感じられたのかもしれません。

洋名 ローズ
ブライト・ピンク

朽葉色
(くちばいろ)

「源氏物語」のころから慣用された茶色の色名に朽葉色があります。落ち葉の朽ちた色に似た色のことですが、襲(かさね)の色目では

赤味の黄 山吹 朽葉
蘇芳
(すおう)

ともいい、その他諸伝があります。 織色は紅と黄といわれるので、かなり派手な色のようでもあります。「枕草子」では、夏にふさわしいすがすがしい色とされています。その色を朽葉と呼んだところに王朝貴族の趣味がうかがわれます。これも茶色なので、色の範囲は広く、赤みがあれば赤朽葉、黄みに寄れば黄朽葉、青み(緑み)があるものを青朽葉などと呼び分けました。

洋名 ラセット・ブラウン


山吹色
(やまぶきいろ)

山吹色は、王朝時代の代表的な黄色の色名で「古今集」「新古今集」では梅・桜・藤に続いて春の終わりを飾る花として登場します。この色名は主に織色の黄色の表現に使われ
表…薄朽葉(うすくちば)
裏…黄
の襲(かさね)を花山吹といい、また款冬(かんとう)ともいいました。
黄色い花の種類は多いのですが、王朝貴族は黄色を代表する色名として、なぜか山吹の花を選びました。黄色の花からとられた色名は他にも黄水仙、菜の花、たんぽぽなどが出てきますが山吹色は別格です。
山吹色は黄色のなかでも、やや赤みのある黄色ですが、「延喜式」に深支子(こきくちなし)と記されている色はさらに赤みの黄色になります。紅と支子(くちなし)の重ね染めで、禁色(きんじき)の黄丹(おうに)に近い色。
だとされています。


萌黄色
萌葱色
(もえぎいろ)

萌黄という色名は、とりわけ草木が生気を帯びる感動を表しているようにみえます。しかし、この色名の解釈は、萌木、萌黄、浅黄、浅葱、萌葱のどれを真とするか決着がつかないようです。黄とも緑ともつかない中間の色だから「萌黄」と書けば黄みを感じ、「萌葱」と書けば緑みに感じます。
染色では下地に空色を染めて、上から数度、刈安(黄)染めをするといいます。
この色は、若さの象徴にふさわしく、「平家物語」でも、萌黄縅(おどし)の鎧(よろい)
はもっぱら若武者を飾りました。

洋名 フレッシュ・グリーン
スプラウト

柳色
(やなぎいろ)
裏葉色
(うらはいろ)

草色よりさらに柔らかみある薄い萌黄色(もえぎいろ)を、柳色、柳葉色、あるいは裏葉色と称します。襲(かさね)の色目では
表…白
裏…青
を柳といいます。経糸(たていと)に萌黄、緯糸(よこいと)に白の織色も柳色といいます。萌黄の色には生命力がありますが、この色はもっと情緒的です。素性法師は、京の春を「見わたせば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の錦なりける」(古今集巻一)と詠んでいますが、春がすみに煙るような柳色と桜色の取り合わせは、古来、都人にとって極上の色彩景観であったと思われます。

洋名 ウィロー・グリーン



(あお)
青緑
(あおみどり)

日本では、青と緑の厳密な区別はありませんでした。日本語の「アオ」は青緑であるし、ブルーに相当する青も伝統色にはありませんでした。日本の伝統色で、青系統は藍になるものと思われます。
「延喜式」には黄緑とか青紫、赤紫という間色(あおみどり)の表記はないのに、青と緑の中間の色として青緑だけはあります。染料は緑の場合と同じく藍と黄蘗(きはだ)であり、どの程度青みに差が
あるかはわかりません。
漢字の「碧」という字は、訓では「あお」とも「みどり」とも読むから、やはり青緑といえます。しかしこの字は日本語では色の表現としては少なく、たいてい紺碧(こんぺき)などのように熟語として使われることが多いようです。
中国や西洋のように、玉や宝石を装身具や工芸品にちりばめるという習慣が乏しかった日本では、青緑系の慣用色名も少ない。植物では青緑の花や葉や果実はまず見当たらないからです。

洋名 ターコイズ
ピーコック

 白
(しろ)

白は、古来、日本でもっとも神聖な色であり、もっぱら神事のためにつかわれました。ただ、昔は現代人が白と考える色よりも、ずっと広範囲な、明るい色の総称であったことは確かなようです。純白を表す色名というよりも、同種同類のなかで、相対的に色が明るく薄いものの表現でした。銀は「しろがね」であったし、白砂・白檀(びゃくだん)・白栗毛などの白も、実
際は現在の白に当てはまりません。白が純白専用の色名となるには、それと区別される周辺の色の色名が考案されるのを待たねばなりませんでした。白の白さを表す日本語の固有色名も、ほとんど見あたりません。胡粉(ごふん)・鉛白(えんぱく)などの材料名以外には、乳色(ちちいろ)、乳白色のようなものしかありません。
 

洋名 ホワイト

 
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