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木にもたれているだけで体にいいといわれるほどの柿。防虫や生地を強くするために昔から柿渋が使われていました。 |
柿渋は、シブ柿を砕いて絞った汁を発酵熟成してつくります。主成分の柿タンニンにより、塗布物に防腐効果や耐水性を与えるといった性質があります。
紙類に塗布し、風で乾かすと防腐性と硬度を増し、※紙衣(かみこ)、紙布(しふ)、番傘、団扇(うちわ)がつくられました。
また、友禅や小紋などの※型紙に利用され、家具類いは漆(うるし)下地として用いられました。
また、強度を増す目的で酒袋、魚網などにも利用されてきました。
(柿渋に使用する品種は天王柿、田村などが有名) |
・かみこ<紙衣、紙子> 紙を用いて作った衣服。 |
・型紙 |
江戸時代、伊勢の白子、寺家(三重県鈴鹿市)あたりで独占的に型紙彫りが行われ、伊勢型紙、白子型紙と呼ばれています。 |
・糊筒 |
防染糊を生地に施すのに使われる糊筒も柿渋で張り合わせた和紙から作られます。 |
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健康食品としての柿渋
高分子タンニン(柿ポリフェノール)の抗酸化作用により、ガンや老化、紫外線による皮膚ガンや皮膚老化を予防する効果を持つといわれています。また、血圧降下、悪臭の消臭、二日酔いの防止、細菌に対する抗菌、中風の予防、やけどなどにも効能を持つといわれています。
柿渋の効用については 京都府立医科大学名誉教授小片重男著「柿と健康」に詳述されています。
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