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佐々木宗一さんが辻が花染を始めてから30年、柿渋を染めている人との出会いがあり、これを機に柿渋染の技術を修得。そのシンプルで深みがあり、自然の温かなぬくもりを感じる色合いに魅せられ、作品創りを開始。
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柿渋の原液は渋柿を青いうちにつぶして発酵させたもの。柿渋染は3年以上も熟成されたこの原液に、水を混ぜて90度くらいに熱し、あくをきれいに取って生地を入れ、まんべんなく40分ぐらい染め上げます。
それから水洗いして、天日で乾かし、もう一度染めます。これを2〜3回繰り返します。できた柿渋の色は抜けず、紫外線に当てると色が濃なります。生地は柿渋に保護されて厚みが出ます。自然の染料を使ったものだけに、あたたかなぬくもりを感じさせ、体に気持ちよくなじみます。
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おしゃれな柿渋染のきもの 佐々木宗一
雑誌「きものと着つけ」(講談社)
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より
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柿渋染風景
柿渋染辻が花ショール
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柿渋は古くは平安時代末期より、本格的には江戸時代になってから使われたようです。
@刷毛(はけ)で染める
A浸(ひた)して染める
Bスプレーで染める
C絞って染める |
天日で乾かす時間、素材の種類、媒染剤により、また出来上がってからも、日光など自然にさらす時間が長ければ長いほど色の濃度が増し、赤味を帯びたり、深みが増すため、いろいろな色合いの変化が楽しめます。 |
染色による生地の硬化、柿渋臭の付着の防止、また、通常ソーダ灰、木酢酸鉄などの媒染材で色々な色を出しますが、佐々木宗一さんは、媒染剤を使わない、独自の染色方法でこれらの問題を解決し、いろいろな色合いを出しています。 |
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